森の木陰でドンジャラホイ
という小人さんの歌が聞こえてきそうな彩りの春の花といえば、日本名?山オダマキの親戚にあたる↓を真っ先に想い出す自分。初夏の気配を感じるには幾分肌寒さを感じた五月初め(現在季節は秋の初めと、季節感逆行………)、岩影から可憐な姿を見せるこの赤い花に
しゃんしゃん手拍子、足拍子
と唄った母の美声と一緒に楽しく踊った時間をよび起こすのですが、花を覗いても、もちろん小人さんはいません。
正式名称Aquilegia canadensis 英語名称Canadian or Canada columbine, Eastern red columbine, Wild columbineは大好きな春の野花です
古くはシェークスピアのハムレットでOphelia(
英語的にはオフェリアが近い発音?)が"There 's fennel for you, and Columbines,"とこの花の名前を使用。この美しい花をハムレットでは肯定的に使用していないところが興味深い点(専門家によると
folly and
desertionを提示しているという見解)
Columbinはラテン語で野鳩Doveで花弁がその姿に似ている為、命名されたという説もあります。
多種多様のcolumbineが世界中に育成していますが、ヨーロッパのColumbineは近所の花と異なり、青紫の神秘的な色。
小人さんとの関連性を全く感じさせないchic(日本ではシック、英語的にはシークでもフランス語が原語なので本来の発音は?)な花で、フランスではメランコリーと呼ばれ神秘的、かつ古くから、多くの宗教画に描かれています。注:北米にも青いColumbineはありますが、ニューヨーク州は分布地域ではないようです。
(
写真は↓Wikiフランス語版よりお借りしています)
↓こちらはフィラデルフィア美術館から
題名 Virgin and Child in a Landscape
The figures are based on Rogier van der Weyden's 'Virgin and Child in a Niche,' in the Museo del Prado, Madrid
画家 Master of the Embroidered Foliage, Netherlandish (active Brussels), active c. 1490 - c. 1520 現在は
ギャラリー219(2F) Date:c. 1500 Medium:Oil on panel Dimensions:33 x 23 3/4 inches (83.8 x 60.3 cm)
フレミッシュ画家
Master of the Embroidered Foliage
個人的に15世紀のフレミッシュ画家が好み(インターナショナルゴシックも含め)な事もありますが、イタリアルネサンス同様素晴らしいノーザンルネサンスを創作したこの時代の画家達の作品は魅力的。
題材は赤ん坊のキリスト様と母親マリア様と宗教画の常で、この時代重ね重ね描かれている題材ですが、背景、花や、動物等が微妙に異なっている点も多くの絵画を鑑賞していると気づく点。その中で山鳩、ラテン名columbineはDove=クリスチャンの象徴三位一体のholy spritを暗示する為この時代の多くの絵画に登場する花です。
自分はクリスチャンではない為、宗教画を美術品としての美しさとその絵画が担っている時代背景や歴史的観点により興味がありますが、西洋画の鑑賞にあたっては、その宗教観を無視して絵画鑑賞する事は不可能で美術を通してその宗教観を学んでいます。が、
東洋人の自分には西洋の人々が哲学的、美術的、政治的、科学的、歴史的、建築、生活様式等にクリスチャ二ティなしでその文化を語れない点が不思議でもあり興味深い点。
クリスチャ二ティは三位一体=トリニティ=数字の3に因果関係がありこの美しい青い花の葉がその数を象徴しているという解釈や聖母マリア様のsorrow(悲しみ)を示唆しているという事で多くの宗教画に見る事ができる花です。